3月14日 予算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、263ページの陸上競技場の整備、特にセミナーハウスの整備について、山本区長にお伺いします。
 宿泊施設を持つセミナーハウスは旧堤小学校にあって、学校や青少年団体が利用していました。それがなくなったので、今回整備するということです。箱物は建設すると維持管理費がかかります。特に、宿泊施設は警備員以外にも24時間のスタッフが必要です。また、食事を出す必要もありますので、キッチンも料理スタッフも必要です。毎日、掃除する必要もあります。また、シーツなども洗濯しなくてはなりません。24時間の冷暖房も必要です。相当の維持管理費がかかると思います。款別質疑でも質問しましたが、東京でセミナーハウスを持っているのは、世田谷区、大田区、練馬区だけです。財政状況の悪い墨田区が宿泊施設を建設するかどうか、これは相当慎重に検討する必要があると思います。
 款別質疑でセミナーハウスの詳細について聞きましたが、建物の詳細や維持管理費について、まだ情報がありません。情報がないと、しっかりした議論はできません。なるべく早く基本的な情報、例えば建物の大きさ、収容人員、主な設備、年間の維持管理費を区議会に出していただきたいのですが、いかがでしょうか。
 また、宿泊施設をつくらない場合についても、同様の情報を作成していただけないのですか。山本区長にお伺いします。

◎区長(山本亨君) 
 先日の款別質疑の中でも井上委員から、お尋ねをしていただいております。このセミナーハウスでありますが、社会教育団体やスポーツ団体の皆さんからの強い要望というものもございまして、以前に旧堤小学校の跡にあった施設、これは大変手狭で本当はもっとうまくつくりたかったんだと思うんですが、あの施設も大変人気がありまして、子どもたちが利用し、私も剣道の子どもたち連れて、あそこで合宿やったこともあるんですけれども、非常にみんなが喜んで教育面において、大変重要な施設だったなと思います。
 新たにつくる施設は、区内の子どもたちが教育の中で、その施設を通していろいろなこと、意義あることができるような施設として、更には他の地域から子どもたちがサッカーや野球や遠征をしてきたときに、泊まっていただいて、そこで次の試合に臨むとか、そうしたいろいろな使い道を我々はしっかり考えた上で、施設の意義やあり方を考えていかなければいけないと思っています。
 今後の計画、それから施設の機能については、区民文教委員会において報告をさせていただきたいと思いますし、その議論の中で、区議会の皆さんからもご意見を頂戴した上で、今度は実施予定の詳細設計に、それを反映していきたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 平成26年に作成された墨田区公共施設マネジメント計画では、「墨田区の新たな施設を必要とする場合には、原則として既存施設の活用を図ることとするが、新たな施設整備が不可欠な場合は、既存施設の統廃合により施設保有総量の増加を抑制する」とあります。確かに、保健センターの統廃合や家庭センターを廃止することで、総量を抑えられます。しかし、福祉や介護、子育てという、墨田区にとっては重要な分野があります。山本区長は、子育てに大変力を入れています。私は、セミナーハウスはあってもいいと思いますが、宿泊施設をつくることの優先順位は低いと思います。山本区長にとっては、このセミナーハウスの宿泊施設を建設することの優先順位は、どの程度なのか、お伺いします。

◎区長(山本亨君) 
 セミナーハウスに宿泊機能を持つこと、これを準備することによって、総合運動場やセミナーハウス自体の利用率向上にもつながると考えています。更には、地域の防災拠点として、また地域交流の場としても活用していくことから、セミナーハウスの整備というのは、区にとって有益性があって優先度については、そんなに低くない、むしろセミナーハウスの優先度は高いところに位置するのではないかと考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 このセミナーハウスは災害のときの避難場所として利用する計画です。確かに、避難場所は必要です。避難場所として利用するなら、体育館のような大きなスペースや畳の大きな部屋をつくったほうが役に立ちます。ホテルのような個室では、避難場所としてあまり役に立ちません。また、児童・生徒が利用しますから、教室単位の宿泊施設は適当ではありません。是非、基本設計の際には避難場所として役に立つ基本設計をしていただきたいと思います。

◎教育委員会事務局次長(後藤隆宏君) 
 この(仮称)総合運動場でございますけれども、災害時には避難場所としての活用も想定しているところでございますし、また施設、観覧席の下の諸室やセミナーハウス等も避難所としての活用も検討していくということに、一応しています。また、地域からも「防災面で有効な施設にしてほしい」という強い要望もございますので、備蓄倉庫等々、防災面の施設を検討していくことになると思います。いずれにしましても、来年度予算を認めていただければ、設計をしていきたいと思っておりますので、セミナーハウス等、合宿や教育面、さまざまな利用する施設として整備しますから、本来利用を損なわないように、災害時にも活用しやすい機能について検討を進めてまいりたいと思っております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、総合教育会議の山本区長のご発言について、お伺いします。
 この会議の目的の一つは、重点的に実施する教育の政策を議論することと理解しています。つまり、具体的に教育の現場で何を実施するか議論する場所です。意見を交換する懇談会ではないと思います。昨年の11月に開かれた会議では、山本区長は「墨田区の全ての学校であいさつをする、ルールを守る、この二つができなければならない」と指摘しています。これは、本当に大事なことです。そして、先生もあいさつして子どもたちとコミュニケーションをとるべきとも指摘しています。私は、墨田区の学校を全てそのような学校にしたいと思います。
 そこで、お伺いしますが、区長は今後どうやってあいさつをする、ルールを守る学校を実現させるおつもりでしょうか。

◎区長(山本亨君) 
 私は、ずっとこのあいさつをする、そしてルールを守るということ、これは大事だということをずっと議員時代から言い続けておりまして、子どもたちが今後長い人生を生きていく上で、あいさつをする、ルールを守るということは、一番大事なことであると考えています。教育長ともいろいろな話をする中で、又は総合教育会議の場の中でも、まずこれができることによって、それぞれ教育課題というのが解決していくんだと。これがないと、全くその先に進んでいくことはないぐらいの、そういうつもりで学校現場と連絡をとりながら、基本的な生活習慣や規範意識を育む取組を行っていただいているところです。これは、今後更に深めていかなければいけないと。こういう間の中だけではなくて、地域の皆さんとか、例えば学校運営協議会の皆さん、そうした人たちからも、「どうもうちの学校の子たちはあいさつがないぞ」とか、「こういうルールを乱した行動をしているぞ」とか、こういうお声も聞くわけでございまして、そういうところにもお声をしっかり伺うような機会をつくって、それはもう改善していくべきは改善していくというようなことも、大事な要素だなと思っています。
 あとは、朝、保護者も一緒になって朝のあいさつ運動、中学生ですけれどもやっています。まだまだ照れながらですが、門の前に出てくればいいんですけれども、門と下足室の間に入ってやっている子どもやお母さんもいるという中で、やはりこれは堂々と正門の前へ出て、地域の人にも通りかかる人にも、そして学生同士、子どもたち同士でも、大きなあいさつをするという、そういう習慣を是非身に付けるように、これからも私はずっと言い続けていきたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、山本区長に英語教育について、お伺いします。
 現在、文部科学省は英語教育について、英語の4技能、つまり読み、書き、そして聞いて話すこと全てを重視する方針です。これまでは文法と読みが中心でした。そのため、英語を書いたり、話すことはあまり重視されませんでした。今後は、これが大きく変わり中学校においても、授業を英語でやることを基本としています。墨田区においても、英語教育を改革していただきたいと思います。
 特に、英語を話すことはスポーツと同じで、練習すればするほどできるようになります。中学1年生と2年生の教科書にある文章を口ですらすら言えるように、生徒同士で授業中に徹底的に練習すれば必ず上達します。日常会話であれば、それだけでも相当英語を使えるようになります。これまでは、そのようなトレーニングをしなかったので、英語が話せないので、無料の英会話のアプリもたくさんあります。先生が英語を、それほど話せなくても大丈夫です。墨田区の中学生が英語を話すことができるように、区長にも英語教育に関心を持っていただきたいと思いますが、お伺いします。
◎区長(山本亨君) 
 これからの時代は、英語をしゃべるということが大変重要な時代になってきていると思っています。そのグローバル化に対応した国際感覚のある人材、こういう人を墨田区の中で育てていくということでありますので、英語教育は重要であると、先ほど言ったとおりですが、新しい学習指導要領では、中学校の英語の授業は基本的には、オールイングリッシュとなる予定であると聞いております。したがって、教員、それからネイティブティーチャーとの授業はもちろん、生徒相互が英語でコミュニケーションをとることも当然想定されていくということです。区の教育委員会では新しい学習指導要領を踏まえ、まず教員の研修、こうしたものにも着手をして、教員がそうしゃべれなくても大丈夫というところもありますが、やはり教える側のスキルアップをしっかりすることが大事であると思います。
 それから、今回の中学生の海外派遣、これを改めて計画をしました。これは、英語教育を重視したことでありまして、是非こうした取組を効果的に進めて、これをしっかり墨田区の教育の中の英語というものを、確立していきたいと思っています。

○委員長(加藤拓君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。